創業までのいきさつ①

もともと、学童保育という放課後の小学生を預かる施設を経営していました。その中で擬似駄菓子屋を作り、疑似通貨を作って、学童を利用している子どもたちにおやつの時間に自分の好きなものを買い物して過ごしてもらっていたことがそもそもの始まりです。


その疑似駄菓子屋を作ったことにも明確な理由がありました。皆で遠足に行ったときに、現地のお店で自分でおやつを買って調達するというイベントを組み込んだ事がありました。そのときに、結構な人数の子どもたちが「自分で買い物ができない」「お釣りという概念がない」という状態で、店内で立ち尽くしていたんです。


その姿に衝撃を受けて、「なぜこんな事になってしまったんだろう」と考えました。保護者の方にその話をしたら失礼になってしまうかもしれないと思い、あえて直接聞かずに仮説を立てました。


学童保育に来ている子どもたちは、0歳から保育園にいた子も多く、そして小学校に上がって学童保育に来ました。多忙な保護者の方のもとで、多くの子は平日はどこにも出かけず、土日は保護者の方と一緒に出かけます。その環境の中で、自分で買い物をするという機会がほぼない「社会経験不足の状態」になってしまっているのではないかという答えに至りました。


このままでは本人の為にも社会の為にもよろしくないなあと思い、せめて学童の中でその構造に近いものを経験させてあげることはできないかと考えた末に作ったのが、疑似駄菓子屋、疑似通貨という仕組みです。


これならおやつを自分で選べるし、自分で買い物もできる。子どもたちは突然学童内に現れたお金という概念や駄菓子屋に色めき立ち、保護者の方々からは「これは面白い!懐かしい!子どもも勉強になる!」と非常に好評でした。


※(現実社会に似たシステムなのでもちろん平和に運用するのは難しく、ゆすり、たかり、貸し借り、他人のロッカーからお金を抜く、万引き等が地味に起こるので、その対策や管理の方法論がある程度必要になります。幸いにも自分が経営していた学童は規律を守る意識が高い子が多かったので助かりましたが、それでも色々と根回しが必要でした。この件はいながきの創業とはちょっと外れるので、またの機会に・・・笑)

駄菓子屋いながき 埼玉県加須市

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